「祐吾。」

「…ん?」

「アンタ…バカだね。」

「…まあな。」




そう言って、祐吾はグイッとコーラを喉に流し込む。





祐吾が水島亜美を想う気持ちも。

私が藤堂センパイを想う気持ちも。







全く同じ、出口のない片想い。

一方通行の恋だ。








もうやめようと思うのにやめられない。

苦しいのにやめられない。






苦しい恋をしたいワケじゃないのに。

他のコトならなんでも上手くこなせるのに。






どうしても欲しいモノはこの指からすり抜ける。







祐吾も私も。

出口のない迷路に迷い込んだ、子どもみたいだ。







もがいて

苦しんで

それでも出口が見つからない。