窓の外が夕闇に染まり、辺りが夜になりかけた頃。




「結局…。部長捕まりませんでしたね…。」


「うむ…。もうとっくに藤堂達も着いてるだろうから事情は伝わっているハズだが……。」







電話の前で“うーん”と頭を抱え込む課長と新人社員、喜多川クン。








結局、定時を過ぎても桐谷慎は捕まらなかった。

連絡は入っているハズなのに、連絡をしてこないってコトは…







「確信犯……、ですかね。」


「ああ。おそらくそうだろう。」








そう言って。

目を合わせてハァとため息を吐く二人。









あの桐谷慎が事情を知っていながら連絡してこないなんてあり得ない。


多分……
何か策を考えてるんだと思う。