「ほんと…お前は素直じゃねぇな。」




呆れたように祐吾は笑うと。





「ま…ここじゃケツも痛いし落ち着かねぇし…。あっちのソファーで話すか。」





…と、祐吾は黒いソファーを指さした。



「…了解。」






断る理由も何にもないから、荷物を持ってソファーに移動すると。

祐吾はカウンターの中で何やらゴソゴソと作業をして。






「ほれ、飲め。」







ノンアルコールのカクテルを私の目の前に置いた。







「サンキュ。」






透明なソーダを口に入れると、口の中には爽やかなライムの香りが広がる。





「わっ。アッサリしてておいしい…。」




思わず感嘆の声をあげると





「理央、ジンライムが好きだろ?
だからそれっぽく作ってみたんだけど…、気に入ってくれたんなら良かったわ。」






と、祐吾は嬉しそうに笑った。