「高宮!!!」




ロックを解いた瞬間。

桐谷慎は乱暴に助手席側の扉を開けて

私の体を車の外へと引っ張り出した。








そして私を自分の胸元にギュッと引き寄せ、抱きしめると




「…どういうつもり?俺、言ったよね?
高宮には手を出すなって。」



見たこともない厳しい表情をして早坂さんを睨む。









「おう。だからまだ手は出してねぇよ?」









早坂さんはそんな桐谷慎の言動に少しも怯みもせず。


悪びれもせず、そう笑った。