それに桐谷慎も自分から、進んでイブの話をしようとすることはなかったから… これでいいんだと思ってた。 イブのことは見て見ぬふりをすることが、お互いにとって幸せなことなのだと。 なのに…… 「イブの顔にそっくりなキミと付き合って。 イブの香水を身につけて君を抱く慎は、本当に“高宮伊織”というキミ自身に向き合ってると言えるのかい??」 早坂さんは、私に気づきたくなかった現実を次々に突きつける。