同じ頃。






「あの子…オマエの何なワケ?」


「ああ、高宮?彼女。」


「はっ?」


「だから…彼女。」






エレベーターの中で桐谷慎と早坂さんはこんな会話をしていた。








「わかったら…手ェだすなよ?龍。」


「さ~、どうだか。
だって…あの子となら結婚できるだろ?俺。」


「…龍!!!!!」


「ま…。せいぜい守りに入ってろ、慎。」






そう言って。

早坂さんはニヤリと笑う。







桐谷慎。

どこまでもバカな私は、気づけなかった。

あなたと早坂さんの関係に。







私がもっと賢い女なら…

あんな風にあなたを悲しませなくてよかっただろうに。