玄関の扉を閉めて、エレベーターで9階まで一気に昇る。 902の部屋の前に着くと、フゥと大きく深呼吸をしてピンポ~ンとインターフォンを鳴らす。 バタバタと走って迫ってくる足音が聞こえたかと思うと 「…理央っ!!!!!!」 真っ赤な目をして。 切羽詰まったような顔の伊織が、玄関の扉を開けた。 「プッ、焦りすぎ。」 伊織の必死の形相が可笑しくて。 思わず吹き出すと伊織はジューンと小さくなってしまった。