どういういきさつがあって、センパイがその事実を知ったのかは…よくわからない。






ケータイを見た?

それとも男のカン??








理由はセンパイにしかわからない。






だけど…







「な…?一ノ瀬。
こんなくだんねぇ男…、やめとけ。きっと俺は一生、誰も幸せにはできねぇよ。」







目の前で、

目を真っ赤に腫らしながら


つたう涙をぬぐいもせずに笑うあなたを見るとあたしの心がギュゥっと痛む。







どんな想いで水島亜美と祐吾を見ていたんだろう。







どこまでも優しいあなたを傷つけていた祐吾と伊織。




2人の無邪気な笑顔の裏で、あなたがこんなに苦しんでいたなんて…






――あたしは知りもしなかった。






ごめん…

ごめんね、センパイ…。








気づくとあたしは、彼の震える背中を必死の想いで抱きしめていた。







自分も涙でぐちゃぐちゃになりながら



愛しい彼の背中を必死に抱きしめていたんだ……。