兼高は他のツアーの人たちと一緒の、バスによる市内観光をキャンセルした。 プルメリアの白いレイをつけた米山夫妻は、不安そうに兼高に尋ねた。 「ワシらは、観光しないんですかの?」 「いいえ、しますよ。忙しいツアーを離れてのんびりとね。それより睡眠のほうは大丈夫ですか?」 兼高の言葉に二人は元気に首を横に振った。 「よしっ、では行きましょう!」 張りきって声を上げた兼高が、密かにあくびをかみ殺しているのを目撃した瑠美は、横目で彼を見て笑った。