手紙の内容はこうだった。



米山夫妻が帰ると、息子夫婦が困っていた。



夫妻の住居近くにできた、9月開校のアメリカの大学の日本校の教員宿舎として、米山家所有のアバートに白羽の矢がたったのだ。



何でも手違いで8人分の住居が確保できていなかったらしい。



息子夫婦は外国人コンプレックスで、断りたいのだが市からの要請でそれが出来ない。



市のほうも宿舎の新築には間に合わないし、新しくて誰も入居が決まっていないアパートは米山家のものしかないので引かない。



そこで、公作とはる子が管理人を買ってでた。



はる子は早速越してきた外国人教師にとても人気があって、頼りにされているし、嫁もはる子に一目置くようになった。



息子や孫には改めて尊敬されるし、いいことずくめになった、と書いてあり、遅ればせながらと断った上で、旅行のお礼で締めくくられていた。