ミーンミーン


セミが鳴く。


暑い日だった。



「…嘘…」
お母さんが隣で泣いていた。

お父さんも…おばあちゃんもみんな泣いてた。



当時、小学6年生の私。
中学校に1つ上の姉がいた。

名前は、長瀬みなみ。
その彼氏が叶多にぃだった。




「みな…ねぇ…」
涙があふれてくる。



「みなねぇ!!!!」

泣きじゃくる私の背中を叶多にぃがそっとさすってくれた。



余裕な素振りを見せる叶多にぃ。
本当は、泣きたいはず。
だって、目尻赤いよ?




「…俺大丈夫だから」
私の顔を見てそういった。