「…秋也」



真奈はその男のことを、『秋也』と呼んだ。



「……そうですけど、うちの真奈に何か?」



できるだけ冷たく言った。



なのにその男はもっと真奈を自分のほうへ引き寄せ、抱きしめた。



…私に対しての、挑発?



私の心が怒りで埋めつくされた。



それを悟ったのか、真奈は顔を赤くしながら、


「…秋也は彼氏なの」



と呟くように言った。



「……………は?」