病院。

あのあと、医師の判断により黒崎梅田さんは病院に搬送された。

今はまだ命に別状はないようだ。
…今はまだ。


「美紗、有紀菜。今日はありがとう。遅いからもう帰って?」

時計を見ると、もう夜9時を指している。

「でも…っ」

「うちは大丈夫だから。ね?お母さんもいるし、お父さんも今に来るし」

これ以上、二人を残して帰りに危険な目に合わせたくない。

その思いを察知してくれたのか、二人は了承して渋々帰っていった。