私は斗基に手を引かれ、黒崎さんのいる部屋に連れていかれた。

「莉央様をお連れしまし…」

斗基が言葉を止める。

病室には既に意気消沈とした空気に包まれていた。

私はベッドの上で眠っている黒崎さんに飛びついた。

「黒崎…さん…?」

返事は、ない。

「ねぇ、黒崎さん!莉央だよ?起きて!?」

私は黒崎さんの体を揺する。

ひんやりしていて、鉄の塊を持った気分だった。