「黒崎さ…」

どうしよう、涙が溢れてきちゃいそう。

「お嬢様…?」

「っ、何でもないです!あ、それより黒崎さん、お茶が切れてる。私、何か買ってきますね!」

そう言って私は病室を出た。

すると、ちょうど斗基がロビーに入ってくる所だった。

「…私、自販機行ってくるから……」

潤んだ目を隠すように下を向いて斗基の前を通り過ぎようとすると、手を捕まれて引き止められた。