「…わぁ、すごく美味しい!」

「うん、黒崎さんの紅茶も美味しかったけど、樋浦さんのも負けないくらい」

美紗と有紀菜がそれぞれの感想を漏らす。

「ありがとうございます。そう言ってくださると光栄です」

私は黙ってもう一度お茶を啜った。



そして一時間後。

「あ、もうこんな時間…。面会時間が過ぎちゃう!」

時計は6時を指していた。

「莉央、これから黒崎さんのとこに行くの?」

「うん、毎日行かないと落ち着かなくて…」