「失礼します。はじめまして、新しく逢坂家に仕えた樋浦と申します。」

…出た、樋浦の二重人格紳士バージョン。

「ありがとう、じゃ」

私はテーブルにお茶とお菓子が置き終わるのを見て、樋浦を追い出そうとした…が。

「え〜、いっちゃうんですか?」

「もっとお話してきましょうよ〜」

すかさず美紗と有紀菜が引き止める。

二人をよく見ると、目は既にハート状態だ。

「ひ、樋浦さんはこの後まだ仕事が…」