「照れてるの?照れた顔も可愛いね…」

「…っ」

だから、息が耳に…っ!

私は思わず身震いする。

「さて、これからどうしようかな」

そう言って樋浦が私の顎を指で持ち上げたその時だった。

コンコン、とドアをノックする音が聞こえた。

「莉央?ここに居るの?お友達が見えてるわよ」

「あ!うん」

私は急いで鍵を開けて部屋を出る。

「ごめんね、樋浦君。あ、後で客室にお茶を運んでもらえる?」

「かしこまりました、奥様。それでは莉央様、続きはまた後ほど」