私は空き部屋を開けて呟く。

「だよな、こんな偶然ってあるもんなんだな!」

「ったく、望んでもないわ!こんな偶然…ってか、あんた執事なんでしょ!?」

私は振り返る。

「そうだよ?今日から莉央の執事♪」

「だったらねぇ、その言葉遣いどうにかならないの!?こ、と、ば、づ、か、い!!!あと、馴れ馴れしいのよ!いきなり呼び捨てって…!」

黒崎さんでさえ、名前で呼ぶのなんか本当に稀で、呼んだとしても『様』がちゃんと付いてたのに…っ。