あたしがこの人を好きになったのは、あたしが一年片想いしてた人に彼女が出来て失恋しちゃって、慰めてくれたから。


<慰めてくれただけで惚れるなんて、なんて軽い女だ!!>って思われるかもしれないけど、あたしにとって、一年片想いした人への失恋は、すごくデカいことだったんです。


あたしが一年片想いしてた彼は、ルックスは二枚目のイケメン。性格もよくてスポーツもそこそこ。勉強は出来なかったけど面白くて、すごく仲良くて、大好きだった。


彼とあたしは違う高校。


彼があたしの学校の文化祭に来た。
あたしはこの時はまだ、彼の事が好きで、中学と高校が一緒の友子と楓もあたしが彼の事がまだ好きだった事を知っていた。


あたしは彼と一緒に校内をまわる。


『本当に来ると思ってなかった(笑)』

「まぁ、暇だったから♪」
そんな他愛もない会話もすごく幸せだった。


「え?夏、ソレだれ?!もしかして彼氏?!」
高校の友達に言われた。

あたしは、『まさか(笑)』って言うつもりで、彼もそう言うと思ってた。