淳史くんはそう言ってあたしが持っている小説を覗き込む。 「この小説ね?ここの場面で…」 あたしが淳史くんの方を向いた瞬間、あまりに顔が近くて小説を床に落としてしまった。 「淳史くん、近くない?」 「…萌絵」