「……そろそろ出なくていいの?」

「……そうだね。そろそろ僕も出るしかないのかな」

敵陣で戦況を見守っていた男は、ゆっくりと太刀を肩に背負った。

「雨か……君の毒の粉は役には立たないだろう。ここに残れ」

「わかったわ」

「相手はこの本陣の前で迎え撃つ。雑魚は彼に任せれば、本物しかここには来れないだろうからね」

女は男の言葉に疑問を持った。

「彼って?」

「……真田だよ。彼は不死鳥のように甦る。すでに雑賀の長はやられてるさ」

そう言い終わると、男は高らかに笑った。

「さあ、終演だ。こんなバカなゲーム、さっさと終わらないとね」