現代戦国時代3

「うわゎ!!」

「待て!」

その頃、根津は戦場にいた。

手甲をはめたものの使い方までは頭になかった。

相手は二人だが、たかが医療見習いに成す術はなかった。

「覚悟しろ!」

二人に取り囲まれ、万事休すかと根津は思った。

「あわわ……」

周りを見渡しても味方はおらず、ただただ死体が転がっているだけである。

相手は片方は槍、片方は刀。

間合いに入っただけで、殺されてしまいそうだ。

「貴様、鎧も着ずに戦場に来るとは、よほど自信があるらしいな」

「いや……これは…間違いというか…場違いというか」

根津は茶を濁すように笑っていた。