現代戦国時代3

『記憶に障害がある……しかし、改竄するには雑すぎるな』

孫市が疑問に思っていると、予想だにしない事が起こり始めた。

「う……頭が……」

槍の刃先が、孫市の顔から離れる。

目の前の幸村は頭を抱え、ぐらぐらと上体を揺らしている。

「隆盛……源内…誰……」

苦しむ声を挙げながら、幸村はどんどん錯乱状態に陥っていく。

『今か…!』

孫市はすかさず銃を構えた。

「ぐうう……おのれ…」

「幸村……不本意だが、これで幕を引かせてもらうとするよ」

救えなかったことを詫びながら、孫市はトリガーを引いた。

バン……

乾いた音が戦場に響き渡った。