現代戦国時代3

「そろそろこちらからも仕掛けていくぞ」

幸村は槍をゆっくりと振り回し始める。

孫市は槍から放たれる熱気にさらされながら、活路を見いだそうとしていた。

『あんな槍を受ける術は俺にはない……この勝負、仕掛けられたら負けか』

孫市は素早くバックステップし、銃弾を切り替える。

散弾だ。

「数打てば当たるぜ。こいつはな!!」

「やってみろ」

凄まじい連射。

幸村は槍を自分の前で円を描くように、猛スピードで振り回す。

槍からは炎が上がり、銃弾が溶ける音が孫市にも聞こえた。

「野郎……!」

孫市は弾を更に切り替える。

その瞬間を幸村は逃さなかった。

「食らえ!!」

ザクッ!!

熱さが先に孫市の右肩に届き、貫いた感覚が伝わった。

「ぐぁ……」

声にならない声が孫市の口から漏れる。

『速い……振り回す姿勢から一気に切り替えるとは……だが…』

「チェックだ……」

孫市は燃えたぎるような熱さの槍を左手で押さえた。

そして、右手に持った銃を幸村に突きつけた。