現代戦国時代３

城の一階を歩く孫市の背中を見て、俺は急いで駆け寄った。

「孫市さん」

「うん？佐助くん、何か用かい？」

「さっきはすいませんでした」

頭を下げると、孫市はポンと肩をたたいてきた。

「君は一人の人間なんだ。そんなに気負うことはないさ」

「でも……」

「確かに君は唯一、宝玉を使える切り札みたいなもんだ。だけど、一人の人間には変わりない」

一人の人間…

俺はいつのまにか自分を過剰に信用していたのかもしれない。

宝玉を手にしていながら、望月を目の前で救えずに終わった。

それが悔しくて、俺は自分をコントロールできていなかったのだろうか。

「佐助くん。次の幸村との戦いでは必ず君の力が必要になる。今、自分が何を最優先にするかしっかり考えておくことを忘れてはいけないよ」

孫市はそのまま背を向けていってしまった。

今すべきこと…

今の俺にはまだよくわからなかった。