その一言に、俺はカチンと来た。

「黙れ…」

「なんだ?」

「黙れって言ってんだろうが!」

クナイを振りかぶり、幸村の背後に孫市がいるのも忘れて、風の刃を放った。

「おわっ!?」

孫市は慌ててしゃがみこんだ。

「はあはあ…」

「そう感情的になるな。望月が悲しむぞ」

「お前が望月を語るな!」

怒りを抑えきれず、俺は一気に幸村に飛びかかった。

「やれやれ、まだまだ青いね」

そのとき、孫市の銃の持ち手の部分で俺は地面に叩き落とされた。

「何をする!!」

「敵味方もわからないようじゃ、みんな死んじまうわな」

慶次を指差し、孫市は諭すように言った。

「でも……」

「相手の安い挑発に乗るようじゃまだまだだね。怒りは内に秘めるから強いんだよ」

孫市はくるりと幸村の方を振り向いた。

「幸村。俺の銃とお前の槍初めての戦いだな」