ボウッ!!

なんと、幸村はその獄炎を慶次に放った。

瞬く間に、慶次の体は火に覆われていく。

「貴様!!」

「さあ、どうする?獄炎は一瞬には終わらないが、俺を倒す以外に消す方法はないぞ」

最悪な状況を作り出されてしまった。

慶次を救いに来たのに、このままでは……

「幸村。君に一体何が………」

「孫市、お前もいつか味わうさ。この世の不条理に」

「不条理に負けるような君じゃないと思ったんだがな」

孫市の言葉も悲しく、幸村をすり抜けていくだげだった。

気絶した慶次は、炎にも反応はしない。

思ったよりも深刻な状態らしい。

「かかってこないなら、こちらからいくぞ」

幸村は再び炎を槍に灯す。

獄炎ではない攻撃用の炎だ。

「くっ…」

俺はクナイを構え、孫市は銃を構える。

「二人がかりとはな。あの時と一緒か?」