「いよいよ闇に落ちたか?幸村」

ダーンッ!!

銃声とともに姿を見せたのは孫市。

「孫市まで来ていたのか。懐かしいな」

しかし、幸村にはダメージを与えられなかった。

「おいおい、せっかくこんな格好悪い奇襲までしたのに……」

孫市の奇襲も、俺の攻撃も全く効かない。

おそらく慶次も為す術はなかったのだろう。

俺の正面に幸村、その脇に慶次が倒れ、幸村の背後に孫市がいる。

「慶次を返してもらう」

「欲しければ、奪ってみるんだな?さもないと、このまま慶次は死ぬぞ」

意気揚々と飛び込んでは来たが、幸村相手にやはりまだ勝ち目はない。

どうにかして、慶次を連れ帰らなければ…

「君は慶次を相当大事に思っているらしい。だったら、助けてみせろ」

幸村は槍先に小さな火の固まりを作り上げた。

「これは獄炎。尽きることなき炎だ」