俺ははやる気持ちを抑えきれず、歩を進め出した。

この先に何が待つかはわからないが、俺は向き合う覚悟をする間も、余裕もなかった。

少し坂になった道の先。

登りきるまでは見えない先へ、俺は一気に走り出した。

「慶次!!」

「幸村ァァ!!見ろよ……俺の賭け通りだろ…」

そこにはとがった火の刃が体に突き刺さった慶次がいた。

「ああ…そうだな」

「ははは。相変わらず洒落のわからねえ奴だな。ヒーローは遅れてやってくるんだよ」

慶次はそう言って、地面に前に倒れ伏した。

体には火傷と見られる傷が多数見られる。

「てめえ!!」

「また君か」

風の刃を放ったが、やはり当たらない。

当たらないというよりは、すり抜けた感じだ。

「好都合だ。一気に仕留めてやるさ」

幸村の槍を炎が取り囲む。

前に見たときより、炎が大きく見えた。