「虚しいもんだ。お前の強さにそんなもんは必要ねえのによ」

「仕方ない。俺が選んだ道だからな」

慶次も武器を構え、幸村に向き合う。

「慶次……お前は覚えているか?お前のしたことを……」

「何のことだ?」

「そうか……」

幸村は少しだけ笑ったように見えた。

慶次はそれがなぜか分からず、首を傾げるしかなかった。

「さっさと始めようか。幸村にはまだちゃんと働いてもらわなきゃならないからな」

「そうか…」

槍の先がゆらめく炎に覆われていく。

紫の炎は邪悪な感じがプンプンしている。

「こうやって刃を交えることでしか、お前を救えないみたいだからな。本気でいくぜ」

「……そうか。じゃあ、遠慮なくやらせてもらおうかな」

その瞬間、炎があたりを取り囲んだ。

火柱が立ち、一気に異様な光景が広がっていく。

「ははは……こいつはすごいね…」