その頃……

慶次は織田軍の跡地へと来ていた。

ザッザ……

地面はまだぬくもりさえ感じられた。

あの戦いで幸村が起こした火炎の威力を慶次はひしひしと感じた。

「ふう……修羅になってまで、お前は何を守ろうとしてるんだ?幸村」

慶次は最も爆発がひどかったと見られる城門あたりに来た。

あたりは何一つ形はなく、瓦礫ばかりが転がっている。

「まさしく魔王の再来だな。なあ……幸村よ」

「気づいていたのか…」

慶次の後ろには、紫の鎧に身を包んだ幸村がいた。

その目に光はなく、虚ろな表情をしている。

「どうだ?一人になった気分は?何か得られたか?」

「得られはしない。奪い取ることでしか、救えないことばかりだからな」

幸村の宝玉がギラギラと輝き始める。

まがまがしい光に、慶次は悲しさが込み上げた。