「どんな能力だった?」

「火を操る能力でした。しかも、なぜかこちらの攻撃は当たらなくて」

「ふむ……」

思い出すだけで、絶望に浸ってしまいそうだ。

あんな恐怖を口では表せない。

「まあ、織田がいなくなったなら、次は俺たちが狙われるだろうな」

政宗の予想通りなら、幸村は今にでもこちらに攻めこんできそうだ。

織田がいない今、まともな軍はこの連合くらいだろう。

「準備をせねばならんな。とりあえず、辺りの警護をするしかないがな」

「あとは燃えたときの水でも用意するか?焼け石に水だろうけどな」

政宗と謙信は、もう備えに入ったようだ。

「あの慶次は?」

ずっと気になったことを謙信に聞いてみた。

「慶次なら君を探しに城下町に下ったようだよ」

城下町に……

あんな慶次みたいな奴がいたら、俺なんかよりも遥かに一般に話しかけられそうだが。

一抹の不安がよぎる。