駄目だ・・・
こんなの見てられないよ・・
部屋はグチャグチャ、メイクはしてない髪はボサボサにスウェット姿
こんな惨めなアタシに幸せな映像なんて見せないで!!
テレビにさえも怒りを感じ、リモコンの消すボタンを押そうとした
『随分懐かしいですね〜。私の母校、清和学園前じゃないですか!!』
え・・・清和学園・・
中年アナウンサーの発した言葉に手が止まる
彼の言っている母校、清和学園はアタシ三汰の母校でもあったから・・・・
清和学園の門が映し出され、レポーターの女の人が校庭の中へ足を踏み入れた
『酒井アナの母校、清和学園では毎年クリスマスになると中庭の大きなもみの木をツリーにするんですよね?』
テレビの画面一杯に
綺麗に飾り付けされたもみの木が現れた
あの木・・・・
『そぉそぉ、あのツリーの前で誰にも見られずキスしたカップルは幸せになれるって言われてたんですよ〜。』
酒井アナが昔を懐かしむような瞳を除かせ言葉にした時
アタシの頭の中で
思い出が鮮明に甦った


![禁断〜君と半分こ☆〜[短編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.774/img/book/genre13.png)