今日も一人、講義も休んで部屋のベットにうずくまる
毛布から手だけ延ばしてテーブルの上をゴソゴソとあさり、テレビのリモコンを取った
・・ピッ……
夕方5時の部屋は暗く、テレビの明かりがライトみたいにワタシの顔を照らす
『今日はクリスマスイブですね〜♪酒井アナはどんな風に過ごされるんですか?』
テレビの中から可愛らしい女子アナの声がする。
彼女はニコやかに笑いながら今日がクリスマスイブである事をアタシに教えてくれた
「今日がクリスマスイブか・・」
三汰はどうしているだろう
バイト?それとも嘘を・・・
また嫌な事を考える
クリスマスが近いことは町の風景から分かる。
でもアタシはあえてカレンダーを見ることもせず考えないようにしてた
町を照らすツリーのライトもカーテンを閉めて見ないようにした
それなのにクリスマスイブにテレビをつけるなんて間抜けもいいとこだよね。
レポータがクリスマスの町並みやカップルを次々と映し出していく
寒い中頬っぺたを赤く染めて笑い合う高校生カップルを見て、また涙が溢れ出した


![禁断〜君と半分こ☆〜[短編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.774/img/book/genre13.png)