視界に入るのは、チュッパチャプスの白い棒。

チュッパチャプスをしゃぶりながら、梨衣の帰りを待つ。

梨衣はまだ、学校だろうか?

学校で、何をしているのだろうか?

梨衣を思う時は、さすがに甘いものもかなわない。

それくらい、僕は彼女を好き――と言うよりも、彼女に依存している。

こんなにも1人の人物に夢中になったのは、彼女が初めてだ。

梨衣は僕の住んでるマンションの隣で、1人暮らしをしてる女の子。

1回り以上も年が下の女子高生。

――古沢真!

引っ越してきた僕を見るなり、叫んだ彼女。