そして、中川さんが保健室に来たときに書く書類を書いていると
先生が俺に聞いてきた。
「ねぇ、あの子は会長の彼女?」
「え?」
彼女…?
そう見えるのか?
「いや…違いますけど。」
興味津々と言うように尋ねてくる先生に警戒しつつ答えると
「そうなの?あたしてっきり二人はカレカノなのかと思ったわ。」
本当に残念そうに言って
俺の座っている隣のソファーに腰を下ろす。
……こんな会話、中川さんには聞かせられないな。
俺は離れた場所で書類を書く彼女を見た。
小さな声で話しているから、聞こえてはないだろう。
先生も多少は気を遣ってくれてるのか。
「だって会長…神崎くん、あの子を見るときの視線が優しいもの。すごく愛しそうに見つめるから、すぐわかるわ。」
何がわかるのか。
聞かなくてもわかる自分に少し照れる。
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