俺の腕の中で固まっている彼女が可愛くて
フッと気付かれないように笑みを溢してからゆっくりと歩き出す。
そのまま抱き抱えるようにして、保健室に向かった。
「あら、弥斗くん。
その子は誰かしら?」
保健室には運良く先生がいた。
よかった。
すぐに処置してもらえるな。
「一年生の中川さんです。
階段から落ちて足をひねったみたいで…」
先生にスラスラと事情を説明し、早く中川さんの脚を診てもらいたかった。
俺の説明に納得してくれた先生は、素早く彼女の脚に処置を施してくれて
中川さんの表情から歪みがなくなった気がした。
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