「いやいや、君、さっきまで泣いてたじゃん」 「まぁ、そうなんだけど……」 「だけど?」 「好きになっちゃったんだもん!」 これまたキラキラの笑顔で彼女は言い放った アホだ…… 本物のアホだ、こいつ…… 彼女の手からマフラーを取り、さっきのベンチにもう一度座った 電車には乗り遅れるし 変な女には会うし ホント、散々な日だな…… 「はぁ………」 大きく息を吐きだした