小さい頃、体験した曾祖母のお葬式。
人の死はあまりにも突然すぎて、この頃のわたしにはまだ、理解できなくて、その場にじっとしてただ時間が過ぎていくだけだった。

曾祖母の前で人が手を合わせる中、そこにはまだ、私の知らない世界が広がっていた。
泣いてお礼を言う親族。
たくさんの人に「頑張るんだよ」って言われながら頭をなでられる姉、兄。
私は、離れてずっと曾祖母の写真を見ていた。
そしたら、笑っている曾祖母の顔が私をなごませる。でも、すぐに現実に戻され、ただ涙をこらえていた。
泣いたらいけないような気がして、小さい私なりに頑張っていた。
最後、お花を添えるとき曾祖母の手に触った。
あまりにも冷たくて、これが死と言うことなんだと感じた。
温かく、私を包んでくれた曾祖母のぬくもりを感じたくて、私はそこで初めて泣いた。


人の死がこんなにも、悲しいと言うことに…