「柚の場所どこ…」


と泣きそうになっていると
肩を後ろから叩かれた。


「柚さんの場所は
俺の前だよ。」


教えてくれたのは
唯一話した事がなかった
クラスメートの、

川村 朔也(さくや)

背も高くて、
顔も悪くないけど
目つきが少し怖いバスケ部。
近寄り難い雰囲気…


「あ、ありがとう。
助かったよ朔也君。」


「いいよ。」




貴方は
いつも私の視線を
奪って行ったね。
ふとした瞬間に
優しく微笑む顔に
私は吸い込まれるの。