「亜実!!!」
血だらけになって絶命した亜実がそこにいた。
自分は何をしたのか必死に頭を回転させた。
キョロキョロすると、玄関近くに亮平も死んでいた。
思い出したんだ。
亜実の家へ向かう前に自分の家に帰る途中で亮平にあったんだ。
亮平が……
「あんさ、お前にさ亜実を幸せにできるわけねーだろ?」
「はッ?!」
決定的な一言を言った後……
自分が自分でなくなったんだ。
「調子に乗んなよ……」
気づけば、亜実の家に向かっていた。
手に…ナイフが握られていた。
後ろから自転車をこぐ亮平が俺を追い越した。
まさかって思い、走った。
角を曲がると、亮平が亜実を誘導して早々と家に入っていったのが見えた。
その時、亮平は勝ち誇った笑みを一瞬見せた気がした。
また自分を失って……
ひたすら亜実に電話をかけた。
まんまとだまされてドアを開けて……
自分が自分じゃなくなっていたんだ。
全ては……
全ては亜実を俺のもとに……
亮平が憎かった。
まずは亜実を殺して俺も死ぬ。
そうしたら亮平は一人残される。
それが狙いだったのに……
油断して後ろを向いた亜実に向かってナイフを振り下ろそうとしたら、
「亜実!!!!」
亮平の奴、血相変えて亜実の前に立って代わりに刺されて。
亜実は大泣きして……
俺はどうしようもできなくって、もう亜実も殺せばいいって思った。

