ピンポーン 来訪者を知らせるドアホンの音に、2人で家の中に視線を移した。 ――無視―― 一瞬の静寂の後 怒りと呆れに体が震え 目上や弱者、敬うや尊ぶ、そんな基本の考えは宇宙の塵となり 「綺麗に加工してんじゃねえ」 生まれて初めての罵声を飛ばした。 一瞬、父親の姿が脳裏をよぎり ゴメンナサイ 心の中で謝った。