真っ赤な世界から
誰かの手によって小さな光に導かれた‥‥
気がついた時
ベッドの中だった。
心配そうに覗き込んでる母の目には涙が溜まっていた。
3日もの時を眠っていたらしい‥
警察官だった父が
事の顛末を把握し、亨先輩と彼女のご主人との話し合いで示談になったと聞かされた。
役立たずの亨先輩が
救急車も呼ばず父に連絡したおかげで、誰も被害届を出す事なく、何もなかったと言う事になったようだ。
幸いにも彼女の傷は浅く、精神科への入所が決まったらしい。
その後
父から尾行の極意と護身術を厳しく叩き込まれた。
手に残る皮膚を突き破る感触は
一生消える事はない‥
