ストーカーの怖さを知らず、迂闊にも新しい恋愛を薦めてしまった。 知らない事が時に罪になるとは知らず‥ 黒い渦の中心で 不倫の倫理を語り合って時は過ぎ‥ 既に享先輩への憧れは崩壊し、失望という虚無感に覆われていたが、潤んだ瞳が席を立つ事を許さなかった。 呼吸困難なほどの重たい空気に耐えられず 「少し歩きませんか‥」 外の空気、できれば緑から溢れる酸素を体が欲し、この空間からの脱却を謀った。