既に離れた心を抱きしめられても、鬱陶しいだけなのに‥ そんな気持ちを悟られないように、優しい口調で静かに語りかけた。 「明日は大切なクライアントに会う予定があるから帰るわね‥」 「朝帰ればいいだろ‥」 「もう支度も出来てるし、頭は仕事モードに切り替わってしまったから‥」 「・・・・・・・」 「暫くは仕事に集中するわ‥」 有無を言わせず 振り返る事もなく部屋を後にした。