年上王子様

「はい、到着ー」
おぉっ、到着ですか。
私がシートベルトを外すのに手こずっていると、
速水さんはサッと運転席を降り、
私の方のドアを開けた。
「お嬢様、どうぞ。とか言ってな。」
速水さんはそう言って、ハハッと笑った。
笑顔、素敵だな。
「ありがとう。」
私も速水さんのノリにノッて、
お嬢様っぽく言ってみた。
やっぱ似合わないな。
レストランのドアを開けると、
懐かしいような木の匂いが広がった。
「いい所だろ?」
「はい!落ち着きますね!」
私は、店員さんに案内され、席についた。
楽しみだなー!
「何食べる?」
「何か、オススメありますか?」
何もわかんないし、どれもおいしそうで迷っちゃうよ。
「俺のオススメは、海鮮ぺペロンチーノかな?」
海鮮ぺペロンチーノ?!
メニューの写真を見ると、
エビやイカ、アサリなどがたっぷり入ったぺペロンチーノが!
おっ…おいしそー!
「これにしますっ!」
「了解。すいませーん。」
速水さんは店員さんを呼んだ。
慣れてるなぁ。