「ねぇ、そんなに勉強ばっかで楽しいの?」 まるで小さな子供のように、イヤミとかそういうものを一切含んでない純粋な疑問。 そんな耳に心地良い声が不意に後ろから聞こえたのは、ある暑い夏の放課後、あたしが図書室で勉強している時だった。 最初はあたしに向けられた言葉だ、って気づかなくて。 図書室では静かにして欲しいなぁ。 そんなことのんきに思って勉強を続けていた、ら。 「ねぇ、聞いてる?」 ぽん、と叩かれた肩の感触。 そこでやっと、ああ、あたしに言われてたんだ、と思った。