★和麻★


僕を抱えてる馬鹿が足を止めた。

保健室に着いたらしい。

僕は降りようと思って体をよじらせた。


「ハァハァハァ……」

頭上から荒い息遣いが聞こえる。


僕を抱えて全速力で走ったもんな。
そりゃ疲れるよ。

僕は何気なく僕を担いだ馬鹿を見上げた。

「ヒィッ…!」

怖い…って言うか気持ち悪い…。

そいつは大量の汗を滴らせて目が虚ろだ。

奴のこめかみから流れる透明な雫が奴の顎に到着し僕に狙いを定めている。

嫌…嫌だ…。こいつの汗に犯される…。