「殺してやる」

 ジーンに駆け寄ると同時に素早くナイフを抜いた。

「フォージュリ!」

「いいよ。相手してあげる」

 当然、割って入るベリルを予想していたジーンは薄笑いを浮かべ、右に駆けてフォージュリを誘導しつつベリルから遠ざかる。

「ジーン!」

「邪魔しないでね」

 まだ止める気でいるベリルに笑みを浮かべながらも、険しい視線を送った。

「貴様など死ねばいい」

「それはこっちのセリフだよ」

 失敗作が父さんの周りをうろうろしてるんじゃないよ──フォージュリにしか聞こえない声で言い捨てた。

「許さない」

 吹き出すフォージュリの怒りにジーンは口角を吊り上げた。

「何故、殺し合う必要がある」

 ベリルは苦々しくつぶやいた。

 二人の闘いに割って入る事は可能だ。二人のレベルはベリルを下回っている。しかし、どうしてだか足が動かない。